(ChatGPTと会話した結果をまとめた内容)
まだ自分の中で完全に整理できているわけではないが、データセンター銘柄や大型設備投資を伴うビジネスを見るうえでは、かなり重要な考え方になりそうだと思った。
ROICとは何か
ROICは、ざっくり言えば、事業に使っているお金に対してどれだけ利益を出せているかを見る指標である。
日本語では「投下資本利益率」と呼ばれる。
式で書くと、基本的には以下のようになる。
ROIC = 税引後営業利益 ÷ 投下資本
もう少し感覚的に言えば、
この事業は、突っ込んだお金に対して何%で回っているのか
を見る指標である。
たとえば、100億円を事業に投資して、税引後の営業利益が10億円出るなら、ROICは10%になる。
不動産投資で言えば、物件価格に対してどれくらい実質利回りが出るかを見る感覚に近い。
ROEとの違い
ROEは、株主資本に対してどれだけ利益を出したかを見る。
ROE = 当期純利益 ÷ 自己資本
一方、ROICは株主資本だけではなく、借入金なども含めて、事業に使っている資本全体に対してどれだけ稼いだかを見る。
つまり、ROEは株主目線の収益性であり、ROICは事業そのものの資本効率に近い。
この違いは、データセンターのような大型設備投資ビジネスでは重要になる。
データセンターは、土地、建物、電力設備、冷却設備、サーバー、GPUなどに大きな投資が必要になる。 そのため、自己資本だけでなく、借入やリース、増資なども含めた資本全体をどう回しているかを見る必要がある。
このとき、ROEよりROICの方が事業の実態に近いことがある。
データセンターはREITに近いのか
データセンターは、一見するとREITに近い面がある。
土地や建物、電力設備などを整備し、そこから安定的な収益を得るという意味では、資産収益型のビジネスに見える。
ただし、単純なREITとはかなり違う。
特にAIデータセンターの場合、GPUやサーバー設備が重要になる。 GPUは土地や建物と違って、技術の陳腐化が早い。数年単位で世代交代が起こる可能性がある。
そのため、データセンターは単純な不動産ではなく、
高利回りREIT
+ 設備産業
+ 半導体サイクル
+ AIクラウド成長株
のような複合的なビジネスとして見た方がよさそうだ。
ここが難しく、同時に面白いところでもある。
市場が要求しているROICを逆算できないか
ここで考えたのは、株価から市場が要求しているROICを逆算できないか、ということだった。
たとえば、データセンター事業に500億円投資している会社があるとする。 市場がその事業に1,000億円の価値をつけているなら、市場はその設備がかなり高い利回りで回ることを期待している可能性がある。
簡単に考えると、
データセンター事業価値 = EV - 既存事業価値
市場要求NOPAT = データセンター事業価値 × 資本コスト
市場要求ROIC = 市場要求NOPAT ÷ データセンター投下資本
のように考えられる。
もちろん、これはかなり粗い。 既存事業価値をどう置くか、資本コストを何%にするか、データセンター投下資本をどこまで含めるかで結果は変わる。
それでも、仮説としては面白い。
なぜなら、この方法を使うと、
今の株価は、データセンター設備が何%で回ることを要求しているのか
という形で評価できるからだ。
ROICは財務諸表から厳密に出すのが難しい
ただし、ROICを実際に計算しようとすると難しい。
理由は2つある。
1つ目は、税引後営業利益、つまりNOPATがそのまま開示されていないことが多いこと。 2つ目は、投下資本の定義が分析者によって揺れること。
NOPATは、実務上は営業利益に税率を掛けて近似することが多い。
NOPAT ≒ 営業利益 × 0.7
実効税率を30%程度と置けば、このように簡易的に計算できる。
投下資本も厳密にやると難しいが、簡易的には次のように考えられる。
投下資本 ≒ 有利子負債 + 純資産 - 現金等
または、設備投資型のビジネスを見る場合は、
設備ROIC = 税引後営業利益 ÷ データセンター投資額
のように、対象事業だけを切り出して見ることもできる。
厳密性には限界があるが、同じ定義で複数社を比較すれば、一定の意味はありそうだ。
EBITDAも見た方がよさそう
データセンターのような設備産業では、ROICだけでなくEBITDAも重要になる。
なぜなら、減価償却費が大きいからだ。
初期投資が大きいビジネスでは、営業利益が小さく見えたり、赤字に見えたりすることがある。 しかし、減価償却前のキャッシュ創出力はそれなりにあるかもしれない。
そのため、以下のような指標も合わせて見る必要がある。
EBITDA利回り = EBITDA ÷ 投下資本
ROIC = 税引後営業利益 ÷ 投下資本
EBITDA利回りは、減価償却前でどれくらい稼いでいるかを見る。 ROICは、減価償却後・税引後でもどれくらい稼げているかを見る。
AIデータセンターではGPUの陳腐化が早いため、EBITDAだけを見ると楽観的になりすぎる可能性がある。 一方で、ROICだけを見ると初期投資局面の成長性を過小評価する可能性もある。
両方を見る必要がありそうだ。
データセンター銘柄で比較すると面白そう
この考え方は、データセクションやさくらインターネットのようなデータセンター関連銘柄を比較するときに使えるかもしれない。
見るべきなのは、単純なPERやPBRだけではない。
たとえば、
- EV / データセンター投下資本
- EV / GPU数
- 売上 / GPU数
- EBITDA / GPU数
- EBITDA / 投下資本
- 営業利益 / 投下資本
- 市場要求ROIC
- 実績ROIC
- 稼働率
- 減価償却負担
- 電力コスト
- 借入コスト
といった指標で並べてみると、単なる「AIデータセンター期待」ではなく、もう少し冷静に比較できるかもしれない。
特に重要なのは、
この株価を正当化するには、設備がどれくらいの利回りで回る必要があるのか
という視点だと思う。
割安・割高というより、期待値の高さを見る
この分析は、単純に割安・割高を断定するものではない。
むしろ、市場がどの程度の期待を織り込んでいるかを見るためのものだと思う。
たとえば、市場要求ROICが8%程度なら、インフラ資産として現実的かもしれない。 15%なら、高稼働・高単価が必要になる。 30%を超えるなら、かなり強い成長や高収益を織り込んでいる可能性がある。 50%以上なら、テーマ性や過熱感がかなり強いかもしれない。
もちろん、実際には資本コストや成長率、稼働率、設備更新コストによって見方は変わる。
それでも、株価を「高い」「安い」と感覚で見るより、
この株価は、どれくらいのROICを要求しているのか
と考える方が、かなり整理しやすい。
まだ確信はないが、かなり大事な視点かもしれない
ROICは、PERやPBRよりも少し難しい。
財務諸表から厳密に計算するのも簡単ではない。 NOPATも投下資本も、定義に揺れがある。
ただ、データセンターのような大型設備投資ビジネスを見るうえでは、ROICの考え方はかなり重要だと思う。
なぜなら、最終的に問われるのは、
その設備投資は、資本コストを上回る利回りで回るのか
だからだ。
AIデータセンターは夢のあるテーマだが、設備投資も大きく、減価償却も重く、技術の陳腐化もある。 単に「AIだから成長する」と見るだけでは危ない。
一方で、本当に高稼働・高単価で回るなら、通常のREITよりも高い収益性を持つ可能性もある。
だからこそ、データセンター銘柄を見るときは、
REIT的な安定収益
設備産業としての投下資本効率
AIクラウドとしての成長性
市場参加者の期待値
を分けて考える必要がある。
まだ自分の中で完全に整理できているわけではないが、ROICはデータセンター銘柄を考えるうえで、かなり重要な補助線になりそうだ。